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***Botanic & Environment_Photo***

《 〝泉の森・希少植物〟❖ ’24/03~04 ❖》

ワダソウ(和田草)    ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Pseudostellaria heterophylla(Miq.)Pax
別名:ヒメワダソウ、ヨツバハコベ

 

❖ ’24/03/31 ❖

泉の森北側入口から少し下ると右側に水道局・配水池との境界金網を通る。

その金網沿いの配水池側の金網に沿いに小さく可憐な“ワダソウ”が咲く。

 

❖ ’24/04/4 ❖

昨年と同じ場所か否かわからないが、こちら側(散策路)に数茎ふえていた。

 

❖ ’24/04/07❖

散策路側のワダソウ元気一杯だが、この環境が今後は変わるのは明らかだ。

より良い生活環境を構築整備する必要は急務だ。

 

もう一箇所のワダソウ生活地、カシャバ山大池側

ワダソウ(和田草)は、長野県筑摩山系の旧中山道和田峠に由来する。

上部の2対の葉が接近して仮輪生状になるのでヨツバハコベの別名がある。

山地の落葉樹林下や林縁に生える小型の多年草だ。

 

❖ ’24/04/10 ❖カシャバ山大池側。

茎高は、5-20cm。葉は対生し、下部の葉は倒披針形~線状へら形。

葉は薄く、裏面脈上に毛がある。

頂部から短毛のある細い柄を出し、白色の花を1-5個上向きに開く。

萼片は5個、披針形で先はとがり背面に軟毛がある。

花弁は5個、倒卵形で先はややへこむ。

雄蕊は10個で裂開前の紅色の葯がよく目立つ。

花柱は2-3個。茎の下部に花弁のない閉鎖花が少し出る。

 

「令和陸年(皇紀2684年)4月14日、記」

《〝泉の森の野草〟❖ ’24/03/27・31 ❖ 》

《〝泉の森・山野草の小路~森のはらっぱ〟 》

今日は、天気がよかった、否、暑いくらいの夏日だった。

里緑地の中でこの周辺は、散歩道で観察者は少ない。

ひっそりとして集中出来た。周辺で新発見(僕個人)もあった。

日頃、じっくりと観察していない事で見落としていたようだ。

先日(3/27)見た場所に再度訪れて見た。

日本固有種の〝ムサシアブミ(武蔵鐙)。関東地方以西に自生。

仏炎苞が鐙(あぶみ)を逆さにした形に似ていると名付けられた。

葉は2枚、小葉は3枚。小葉の幅はかなり広く、長さ10~30㎝。

花柄は葉柄より短く、3~10㎝しかない。

仏炎苞は暗紫色、舷部は曲がって袋状になり先は尖り脈が目立つ。

筒口部の耳も大きい。テンナンショウ属でも特異である。

林内に生える多年草だが、いつ頃からこの地で見られていたか。

神奈川県内で”初見”されたのは昭和62年(1982)頃と記録がある。

テンナンショウの仲間は似通っているが、武蔵鐙は特異な形状。

ムサシアブミ(武蔵鐙) サトイモ科(Araceae)
学名:Arisaema ringens (Thunb.) Schott.

3月27日、泉の森・山野草の小路

 

 

3月31日、上記の茎は、開花していた。が、葉は開いていない。

2茎目は、開花の仕方が1茎と違う。

 

3茎目は、漸く茎を見せた状態。

昨年より茎が増えている。先年は、1回しか見ていない。

もっと茎が立つのか? 再度、観察しないといけないか!!

 

 

小路の確認場所から少し離れた、森のはらっぱに新発見!!

とは云っても以前からあったのかも知れないが。

嬉しくていろいろな角度から撮ってしまった。

生育環境・土壌(表土)が全くことなるのに!?!

 

 

里緑地(里山)は、生きている活きていると実感出来た瞬間である。

 

「令和陸年(皇紀2684年)3月31日、記」

《 〝泉の森・山野草園Ⅱ〟❖ ’24/03/24 ❖ 》

ミスミソウ(三角草) は、花期が盛りを過ぎたって感じだった。

中に綺麗な青紫色の三角草が開花していた。花色で開花時期で決まるか?

 


イカリソウも新しい茎が立ち花を見せていた。

 

 

ウラシマソウ(浦島草)は、いよいよ以って生き粋と姿を見せていた。

日本固有種、此の様に年々増えている。嬉しい限りだ。

 

 

カタクリ(片栗)は、点々と6茎見えた。林床奥が見えないので増えているかも?

 

又、カタクリ奥林床にヒメヤブランの花を見たことがあった。

記憶のある場所に綺麗なコバルト色(コバルトブルー)の種子が見えた。

色からすると玉竜(ジャノヒゲ)に見える??綺麗と驚き遠望した。

ジャノヒゲ(蛇の髭) キジカクシ科(Asparagaceae

学名:Ophiopogon japonicus (L. fil.) Ker Gawl.

別名:リュウノヒゲ

和名は、細い葉を竜の髭にたとえたものと云われている。

匐枝を地中で横に長く伸ばし、葉は細く、硬く、縁がざらつく。

花茎は、葉よりかなり短い。花は、不完全な小さな円錐花。

花後の果実のように見えるのは種子である。果皮が破れて種子となる。

いま見えてる、コバルトブルー色は、玉竜としかみえない。

種子であるため、花柱の跡がないように感じた。

ジャノヒゲの種子を玉竜と呼んでいる。

 

 

帰り道の小路には、アオキの花が可愛く咲いていた。



又、ウグイスカグラの花があちこちで咲いている。



そろそろムサシアブミが茎を見せるか、とよって見るがまだ。

帰り道、ウバユリの群生地端に、観察中の札をみた。

よくよく見ると“オオアザミ”と記されている???

オオアザミ”と云えば外来種!?!

帰宅して調べてみると、葉の形、もようが似ているのが見つかった。

資料によれば、別名マリアアザミと呼ばれている由。

聖母マリアの母乳がアザミの葉の上にこぼれ落ち、美しい大理石模様が出来たと。

オオアザミ(大薊)    キク科(Asteraceae)

学名:Silybum marianum (L.) Gaertn. 

別名:マリアアザミ

地中海沿岸の南ヨーロッパ北アフリカ、アジアに分布する一または二年草。

葉には強いトゲがあり、草丈が1m以上。5~6月に開花する。

直径5cmほどのすみれ色がかった紫色の花を咲かせる。

全草に食欲増進や消化促進作用があると云われている。

若い芽をサラダに、炒った果実をコーヒーの代用に等、広く利用されている。

種子に含まれるフラボノイド複合体であるシリマリンには肝機能の改善ほか、

解毒作用、抗酸化作用があり、肝臓を守るサプリメントとして使われている。

別名のマリアアザミと呼ばれているように、西欧では古くより愛用されてきた。

5月~6月に開花するだろう。楽しみだ。

 

里緑地は、着実に春姿をみせていた。

 

「令和陸年(皇紀2684年)3月24日、記」

《 〝泉の森・山野草園〟❖ ’24/03/20 ❖ 》

ミスミソウ(三角草) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Hepatica nobilis Schreber var. japonica Nakai

別名:ユキワリソウ(雪割草)

 

開花している花の微妙な色合い、

綺麗だ!!下(手前)に実になったものが見える。

2枚目は、実の拡大画、黄色い部分が実。

タイミングよく出会えた(初見の光景)。
落葉広葉樹林の林床に育つ、花径約1-1.5cmの花。
色は白色・淡紫色・淡青色・淡紅色。
自生地は、準絶滅危惧 (NT)種。
三角草の花弁は、6枚~7枚以上と色々。

同族種のスハマソウとは見分けが難しい。

スハマソウ(州浜草)は、ミスミソウの変種。

違いは、葉先がミスミソウは尖る。

対して、スハマソウは丸まっている。

 

 

ユリワサビ(百合山葵) アブラナ科(Brassicaceae)
学名:Eutrema tenuis (Miq.) Makino

別名:ハナワサビ

普通、山地の渓流畔や湿った林床に生育する。
根茎は細くて短く、葉を根生する。茎高15 - 25 cm。

茎は細く無毛。葉はワサビより小さく卵形~円形で基部は心形。

葉縁は波状の鋸歯で長柄がある。

茎葉は互生、上部ほど小型で長卵形。

花は、まばらに白色の総状花序で十字状の4弁花。

花弁の長さは4 - 6mm。

花柄の基部に葉の変化した苞があり縁は深く切れ込む。

萼片は楕円形。

冬期は常緑越冬し、葉柄が枯れ残ってユリの鱗茎状とはならない。

葉をサラダや天ぷらとして食べる。独特の風味で美味。
早春に咲く独特な風合いを感じる花。

 

 

(拡大画は借物画)

セントウソウ(仙洞草・先頭草) セリ科(Apiaceae/Umbelliferae) 

学名:Chamaele decumbens (Murray) Makino 
別名:オウレンダマシ(黄蓮騙し)

林縁や草地などに生育する小型の多年草
基部から数本の細長く、軟弱な茎を出し、高さ10~30cm、無毛。
葉は根生し長さ2.5~10cm、1~3回3出複葉で、

小葉は卵形、3角形等様々。
葉柄は長くふつう紫色を帯び、基部は鞘となって互いに抱く。
花は白色。複散形花序の大花柄は3~5個、長さは不同長。

小散形花序は5~10個の花をつける。
セントウソウは食べられ、

生だとイタリアンパセリコリアンダーの中間の様な味。

しかし生は、付着物があるので余り薦められない。

おひたしや粥に入れると旨い。
冬場の小さな株は、テンプラにすると美味である。

 

 

ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科 (Araceae)     
学名:Arisaema urashima H.Hara
Arisaema thunbergii Blume subsp.

urashima (H.Hara) H.Ohashi et J.Murata

ウラシマソウ(浦島草);

同じサトイモ科テンナンショウ属には、

マムシグサ、ムサシアブミ、コウライテンナンショウ、
アムールテンナンショウ、ヒロハテンナンショウ、

ホソバテンナンショウ、ミミガタテンナンショウがある。
高さ30~60cmで球茎には子球が放射状に5列に並び、

春から晩春に地上に葉と花序を展開する。
普通、葉は一枚で偽茎部が短く、小葉は11~17枚ある。
日本固有種で花穂の先が糸の様に細長く伸び垂れ下がる。
この形態を浦島太郎の釣り糸に見立て名がついた由。

 

 

ニリンソウ(ニ輪草) キンポウゲ科Ranunculaceae
学名:Anemone flaccida F. Schmidt.

和名の由来は花が2個ずつつくことが多いことから。

茎葉は3個輪生し、小葉が羽状に深裂する。

3個が揃って丸葉の様に見え、葉の表面には白い斑紋がある。

花は直径約2㎝、1~3個つく。花弁に見えるのは萼片。

萼片は、長さ7~10㎜白色、長楕円形で、5~6個つく。

 

「令和陸年(皇紀2684年)3月21日、記」

《 雅羅・/・ 襍囈〝鶯神楽〟》

ウグイスカグラ(鶯神楽 スイカズラCaprifoliaceae
学名:Lonicera gracilipes Miq.  
別名:ウグイスノキ、honeysuckle

2024/02/11 

2024/02/16  ウグイスカグラ(鶯神楽)の花芽 

 

2024/02/18

 

《  身近な里緑地に見る小花 “鶯神楽”  》

在来種(日本固有種)でウグイスが鳴き始める頃、花が咲く。
そんな名の由来の可愛い小花が咲いている、のを偶然見つけた。
ウグイスカグラ(鶯神楽);
日本各地に自生、主に太平洋側山野に生え、樹高2~3メートルになる。
幹は灰褐色、樹皮が縦に裂けて剥がれる。
葉は対生、倒卵形または広楕円形で長さ3~6㎝、幅2~4㎝で葉裏は緑白色。
葉や花冠などに毛がほとんどないものをウグイスカグラ var. glabra 、
毛が多いものをヤマウグイスカグラ var. gracilipes と区別する見解もある、
が中間も多くあり、区別は困難。ミヤマウグイスカグラは萼に腺毛がある。
普通3月から4月に葉腋から花柄を伸ばしラッパ状淡紅色の花を下垂させる。
枝先の葉腋に付いた花は1~2個。花冠は長さ1~2㎝の漏斗形、先が5裂し平開き。
葉や花冠の毛の量には変化がある。雄蕊5個。雌蕊1個。花柄は長さ1~2㎝。
果実は液果。液果は長さ1~1.5㎝の楕円形、6月頃に赤く熟し鳥の餌になる。
種子は長さ4~5㎜の惰円形、褐色。
 
「令和陸年(皇紀2684年)2月18日、記」

《 雅羅・/・襍囈〝今時の木花〟》

 

モクレイシ(木茘枝) ニシキギ科(Celastraceae)
学名:Microtropis japonica (Franch. et Sav.) Hallier f. 

《  備忘録“今の時期にも咲く小低木の花”  》
海岸近くの林に生える常緑性小低木。本州での自生地分布は、限定的。
神奈川県西部(大磯丘陵、渋沢丘陵)、伊豆半島、伊豆諸島。
神奈川県内では高麗山(平塚市)の自生地はよく知られている。
樹皮は、なめらかで灰褐色、多く分枝して高さ数十cmに達する。
枝は木化し、著しくかたい。茎も葉も灰白色の短毛が密生する。
葉は、厚く皮質だがやわらかく対生し全縁で楕円形または卵形。
先は、鈍頭でときに微凹端。基部は、鋭尖形で葉柄に連続する。
シャモジかスプーンの様な形。又、葉の付き方は見事な十字対生。
晩秋-早春にかけ、葉腋から総状または円錐状の花序をだす。
頭花は明らかな柄をもち、筒状花からは異臭を放つ。雌雄異株。
雄木には雄花が、雌木に雌花を付け、共に3~4月に開花する。
葉脈に緑白色の小さな花をつける。花弁五枚。
雄花には雄蕊が5つで目立つ、が退化した雌蕊もある。雌花より大きい。
雌花は、雌蕊が一つ観えるだけで雄蕊は見えない。
 

実は蒴果。中に赤い仮種皮があり、種子が中に。ニシキギ科の特徴か。
 
「令和陸年(皇紀2684年)2月16日、記」

《 雅羅・/・ 襍囈〝朔・紅葉?〟》

カジイチゴ(梶苺)の葉  バラ科(Rosaceae)
学名:Rubus trifidus

 

2021/02/13 泉の森・民家園。

 

かなり前の新治市民の森の黄苺の黄葉葉

 

 

《  “河津桜の花は未だだが、葉の紅葉が見れた泉の森・民家園!?!”  》

朔。月と太陽の黄経差が0°となる日。旧暦では2/10が暦月の朔日。

旧暦の元日。旧暦正月朔日と言っても、何か・・響いてこない。

新・旧どちらにしても真冬、花の少ない季節だ。

そんな中、昨今は、気温が下がらず、シモバシラが見れない。

同じ園内にカジイチゴの葉(多分?)が、紅葉していた。

(梶苺)在来種、庭木としてよく栽培されている。

和名は、葉がカジノキに似ていることからに由。

新茎や新枝には軟毛、腺毛があり後に無毛となる。普通、刺はない。

葉は互生し、やや厚く掌状に3~7裂(5裂が多い)し、重鋸歯縁。

新葉の葉柄や主脈には腺毛があり、後に無毛となる。托葉は、狭惰円形。

ハチジョウイチゴも同じような場所に生え、花や葉がよく似ている。

若い茎に刺があり、茎や葉裏の脈に白毛があり、腺毛はない。

モミジイチゴ(長葉紅葉苺・・広義・・日本固有種)
Rubus palmatus Thunb. var. palmatus( ナガバモミジイチゴ

茎や葉には刺がまばらに生える。茎の刺は曲がらず、葉柄や枝の刺は曲がる。

托葉は、披針形。葉身は、長卵形、重鋸歯縁、掌状に3~5裂し中裂片が特に大きい。

葉の形や鋸歯には変異が多く、切れ込みが少ない場合もある。葉裏は緑色。

 

色々と思い巡らすと、やはり此の葉はカジイチゴの葉、と思える。

 

「令和陸年(皇紀2684年)2月10日、記」